働き者の臓器「肝臓」あれこれ

働き者の臓器「肝臓」あれこれ

人間はいろいろなものを食べ、食べたものを体内で分解し、別な物質に替えて多彩な生命活動に使っています。この働きを代謝と呼びますが、人体の中で中心となって代謝を担っているのが肝臓です。

●肝臓は人間の身体の中で一番大きい臓器

肝臓は、体の中で最も大きな臓器です。体重の約1/50の重さがあり、成人で約1200~1500gも!おなかの右上にあり、肋骨に守られています。
臓のように鼓動を打つわけでもありませんし、胃のように、ストレスで痛むこともないので〝沈黙の臓器〟と呼ばれています。

その特長は優れた再生能力手術などで全体の70パーセント程度を切除しても、4か月~半年後には大きさも機能も元に戻ってしまうそう!

肝臓は、三大栄養素(たんぱく質、炭水化物(糖質)、脂肪(脂質))の代謝のほか、

・アンモニアやアルコールなどの老廃物や有害物質を分解・無害化して排出する解毒作用
脂肪の消化に必要な胆汁をつくって十二指腸に送り出す作用
鉄分やビタミン類を貯蔵したり活性化する作用
免疫成分を分泌して血中の細菌を排除する作用

など、なんと500を超える働きがあるとされています。
何千という酵素を使い、複雑な化学変化を起こす肝臓は、化学工場と例えられるほど。黙々と働く肝臓は、人の身体を支える縁の下の力持ちといった存在です。

●昔からよく聞く病気「肝炎」って?

ところで、「肝炎」の検査や治療に医療費補助が受けられるのをご存じですか?

その背景には日本人は欧米人に比べて肝臓がんで亡くなる人がとても多いという問題があります。
肝炎から肝硬変、肝臓がんへ続く道を断ち切るため、国をあげて対策に取り組んでいるのです。

ひと昔前まで、肝炎はアルコールが招く病気で、禁酒をして安静にするのが一番の治療とされてきましたが、お酒を飲まないのに、アルコール性肝障害と同じ経過で肝硬変に至る「非アルコール 性脂肪性肝炎(NASH)」も増えているそうです。

●「だるい、疲れやすい」は要注意

肝臓病で最も多く、やっかいな 「肝硬変」は、慢性肝炎が長期化し、硬くなって肝機能が著しく衰える病気です。
長い間、お酒の飲み過ぎで起こるとされてきましたが、現在では原因の8割はB型、C型の〝肝炎ウイルス〟で、残りの1〜2割がアルコール性や脂肪肝による肝臓障害とされています。

肝臓はとても我慢強く、少々具合が悪くても症状が出ません。
朝一番の尿がウーロン茶のように赤っぽくなるのが自分で気づける初期の症状といえます。白目が黄色くなる(黄疸)や、胸にポツポツと斑点が出るなどは、肝硬変がかなり進んだ状態

「だるい、疲れやすい」といった不調や「肝機能値がよくない」と指摘されたなどのきっかけで肝臓病が見つかるケースが少なくありません。
肝機能の異常は、血液検査で簡単に調べられます。健診項目ではありませんが、B型やC型肝炎ウイルス検査も多くの自治体で実施されています。肝機能値が正常で も、一生に1回は受診したいものです。

●肝炎の多くはウイルスが原因です

急性肝炎

食べ物などから感染するA型肝炎が4割を占め、発熱、食欲不振、全身の倦怠感といった症状が発生します。
症状のうち、黄疸や、褐色尿があらわれた場合は、直ちに入院が必要とされています。
ウイルス感染による急性肝炎の症状は、数週間から数ヶ月の潜伏期間の末に発症しますが、入院し、適切な治療を受けて安静にすることによって数ヶ月で症状をおさめることができます。

原因となるウイルスには、A型、B型C型、D型、E型、G型といった種類があげられますが、日本人に特に多いのがA型、B型、C型の3種類のウイルスによるものです。
原因ウイルス別に、急性A型肝炎、急性B型肝炎、急性C型肝炎と呼ばれており、それぞれの症状特徴や危険性は異なります。


慢性肝炎

慢性肝炎とは、急性肝炎が治ることなく半年以上も症状が続いてしまった状態をいいます。体内に残ったウイルスが起こす持続的な炎症が、肝臓の組織の線維化を招き、肝硬変へと移行してしまう危険性もあります。

原因はウイルス、薬物、アルコールなどがあげられます。その中でも現在、日本において最も慢性肝炎の原因として多くあげられているのは、B型とC型によるウイルス性肝炎です。
慢性肝炎は急性肝炎と比べて、自覚症状がほとんどなく、症状が軽いのが特徴的です。大半が健診により偶然発見される場合が多いため、定期健診を全く受けていない方は、気がつかないうちに症状が悪化してしまい、肝硬変、肝臓がんなどと診断されてしまうことも。
「自分は健康に気を配っているから大丈夫」という安心感は、ウイルス感染が存在する以上通用しません。
無症状である慢性肝炎を早期発見し治療するためにも、定期的に血液検査によって肝機能を調べてもらう必要があります。


劇症肝炎

急性肝炎が重症化し、急激に肝細胞の破壊が進む状態。劇症化するのはまれですが、1カ月以内の死亡率は5割と高いのが特徴です。

発熱、食欲不振、全身の倦怠感といった急性肝炎の症状から8週間以内に肝性脳症があらわれ、血液中凝固因子に低下が見られる場合、劇症肝炎と診断されます。
これは非常に重症な肝炎であり、肝細胞の増殖が阻害されることから適切な治療を受けなければ死に至る可能性もあります。
原因は急性肝炎と同じくウイルスや薬物など。自己免疫性によってひきおこされることもまれにあります。劇症肝炎では、腎臓、肺、心臓、消化器の臓器異常、血液凝固異常、出血など全身にわたってさまざまな症状があらわれます。
また、あらゆる合併症を引き起こしやすく、肝臓病の中でも特に死亡率が高い病とされています。そのため早期に治療を行なう必要があります。


肝機能の向上には日常的に良質なたんぱく質やビタミン類をバランスよくとること、週に2日は休肝日を設けることなどが挙げられます。

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