ファイトケミカルでアンチエイジング!ベジブロスのすすめ

ファイトケミカルでアンチエイジング!ベジブロスのすすめ

4月の末ごろだったでしょうか。
工藤静香さんがインスタグラムを更新して普段だったら捨ててしまう玉ねぎの皮など野菜の切れ端を煮込んで「ベジブロス」というだし汁を取っている写真がアップされ、ネット上には「フードロス削減」、「生ごみ?」など賛否両論の意見が出ていました。
このベジブロス、栄養学上では非常に注目すべき「ファイトケミカル」が沢山溶け込んでいて
実は体力の落ちる夏にはぴったりな極上のだし汁なのです。

●ファイトケミカルって?

動物と違って自身で動くことのできない植物は外敵から身を守るために独自の成分を作り出しています。
そのような色素や香り、アク、辛みなどの成分をファイトケミカル(phytochemical)といいます。
例えば、人は紫外線を浴びるとメラニンという色素を作って肌を黒くして皮膚を守ろうとしますが、メラニンを既成できない植物はアントシアニンという青紫の色素を作り出して自分の身を守ります。
また、植物が虫に食べられないように出す独特の香りやアクもファイトケミカルです。
植物が「身を守る、成長する」という目的からファイトケミカルは皮や種、ヘタ、根っこに沢山含まれています
このファイトケミカルが人間の健康に非常に良い栄養成分であることが分かっています。
その効果からファイトケミカルは第7の栄養素と呼ばれていて、人間の体内で老化を進行させる活性酸素の増加を防ぐ抗酸化力を上げたり、免疫機能を高めたり、最近ではアルツハイマー予防になるとの結果も出てきました。

●早速ベジブロスを作ってみよう。

ファイトケミカルを効率よく摂るには加熱が重要です。
ベジブロスはその栄養成分を丸ごと食べられる理想の野菜だしです。
(ベジ=野菜vegetable、ブロス=だし汁broth)
ファイトケミカルは細胞に守られているため、弱火で加熱して野菜の細胞壁を壊し、吸収しやすくする必要があります。
また、偏らずにバランスよく色んな成分を摂ることも大切。
違う食材を合わせて摂ると、相乗効果があることが分かっています。
まずは料理をするときに出る野菜の皮、ヘタ、根っこなどを保存容器や袋に入れ、冷蔵庫で貯めておきましょう。
両手のひら一杯分になったらベジブロス作りの始まりです。

【材料】ベジブロス約1000ml分
野菜の切れ端・・・両手1杯分
水・・・・・・・・1300ml
酒・・・・・・・・小さじ1

【作り方】
①  鍋に水と酒、よく洗った野菜の切れ端を入れる。
②  弱火で20~30分煮る。
③  ザルでこしてベジブロスの出来上がり。

野菜の切れ端は細かく切る必要はありません。
また煮込んでいる間に出てくるアクはファイトケミカルなので、取らずにそのまま一緒にいただきます。
ザルでこした後、製氷器で冷凍すれば、おひたしなど少量使うときに便利ですし、冷蔵ならば3日程度保存が可能です。
すぐにベジブロスを使う予定がないときは、粗熱を取ったらベジブロスを野菜ごと保存袋に入れて冷凍しておきましょう。
野菜ごと凍らせることで更にファイトケミカルが溶け出します。
使うときは自然解凍をしてからザルでこして使いましょう。

●ベジブロスの使い方

肉や魚のだし汁がパンチのある主役級なら、ベジブロスは素材のうまみを底上げするだし汁です。
何にでも使えるのがいいところ。
炊き込みご飯に味噌汁に、肉や魚の煮込み料理に使ってもうまみ成分の相乗効果で美味しくなります。

最も手っ取り早く簡単なのは、
ベジブロス+味噌、
ベジブロス+梅干し、
ベジブロス+塩
などのシンプルな即席スープ。
ランチのお供にもいいですよ。
更に肉や魚、野菜などの具材を足しても味わい深いスープになります。

<他にもいろいろ使える野菜>

ちなみに、みつ葉の根っこやズッキーニ、なすのヘタなどと一緒にゴボウの皮を入れてみたら、ほとんどゴボウ味になりました。
美味しいけれど、どうもゴボウは目立ちたがり屋さん、協調性には欠けるようです。
夏野菜カレーのお水の代わりに使ったら味わい深いカレーになりました。

「まさか今まで捨てていた野菜の切れ端にそんな栄養成分がたっぷりだったとは!」
と思ったら、早速今日から野菜の皮やヘタなどを捨てずに保存して、
美味しくて老化や夏バテを防ぐだし汁生活を試してみませんか?

ライター:佐藤 敬子

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