●乾物って食べていますか?
どこの家庭にも一つや二つは必ず常備されているのに、食品棚の奥でいつ買ったかわからなくなっているものもある、そんな乾物に今日はスポットを当ててみましょう。
乾物は実は古代からの知恵が凝縮された優秀食材なのです。
保存がきくのはもちろんですが、生で食べるよりもビタミンやミネラルの含有量が増え、栄養価だけではなく旨味や香りも増加します。
●切り干し大根
切り干し大根は生よりもカルシウム量は15倍以上、食物繊維も25倍近くになると言われています。
独特のにおいが気になって煮物にする人が多いと思いますが、水で洗った後、熱湯で戻すと匂いは取れます。
水気をしっかりしぼって刻み、火を加えずにサラダにいれるとシャキシャキして美味しいです。
たらこと醤油と白ごまで和えても良いし、
また、切り干し大根の戻し汁でお味噌汁を作ると、出汁を入れなくてもとても味わい深い味噌汁になります。
●高野豆腐
イソフラボンや鉄分など、女性にとって見逃せない栄養素が豊富な食材です。
大豆製品のテンペ等と同じ感覚で使うと豆腐よりも水分が抜けている分、お肉のような感覚で使用できますが、スポンジ状で油やソースを吸いすぎてしまうので片栗粉でコーティングすると食感が柔らかくふんわりとした仕上がりになります。
高野豆腐をさっと洗って棒状に切り、片栗粉を軽くまぶし、フライパンにオリーブオイルをひいて、カリっとするまで炒めたら、同じく棒状に切った黄色や赤のパプリカ、ピーマンなどの野菜を加えてさらに炒め、オイスターソース、豆板醤、出汁、醤油を合わせた調味料を加えてなじませると彩り豊かなメインディッシュの出来上がりです。
●ひじき
ひじきにはヨウ素、鉄分、食物繊維が多く含まれています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンを作り細胞の新陳代謝を促すので発育の促進や基礎代謝の促進に役立ちます。
よく洗って水で戻した後、さっと煮てから生のおから、刻んだラッキョウ、キュウリ、マヨネーズなどと一緒に和えると、ひじき入りのポテトサラダのような味わいになります。
●麩
麩は実はたんぱく質のかたまりで栄養価も高いです。
ベジタリアンの人がグルテンを利用して肉の代用品として食していますが、麩はグルテンが主成分。
たんぱく質は筋肉づくりに必須の栄養素です。
しかし、持久力をキープするためには糖質も欠かせません。
糖質はエネルギーに変化するスピードがたんぱく質よりも速いのです。
そんな筋肉づくりにぴったりなメニューは車麩のフレンチトースト。
車麩2個を水で戻して水気を切り、生クリーム大匙1、卵黄1個、砂糖小さじ1を入れたボウルに浸し、フライパンで両面を焼き上げれば、たんぱく質と糖質が一度にとれます。
パンで作るよりも栄養価が高く、味もしみやすく、食感もふんわりして美味しいです。
また、板麩をラザニアの代わりに耐熱皿に入れて、トマトソースや炒めた玉ねぎやひき肉などを重ねてチーズを散らして焼き色がつくまで焼くと、糖質オフ、ダイエットにおすすめのラザニアになります。
乾物は一度に戻すと大量になってしまうのでちょっと注意が必要です。
切り干し大根なら一人分100g、ひじきは大匙1杯を目安に戻すといいでしょう。
干すことで驚くほど増す栄養価と旨味や風味。
料理が苦手な人ほど、使わない手はありません。
紹介したもの以外にも優秀な乾物はたくさんあります。
乾物というとどうしても煮物のイメージがありますが、和食だけではなく洋食にアレンジも可能なので、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょう。
ライター:佐藤 敬子