コロナウィルスで自粛する日々が続いています。ウィルスに感染しないための自己免疫という言葉をよく耳にするようになりました。
●免疫とは？
そもそも免疫とは何なのでしょうか。
免疫とは体に備わる病気と闘う力です。どんな人でも年齢とともに免疫は低下し、疲れやすくなったり、感染症や、がんにかかりやすくなったりしります。
40歳を過ぎたあたりから元気な人とそうでない人の差が広がるのはそれぞれの持つ免疫力の差であるといえます。
また、若くても風邪がなかなか治らない、体が慢性的にだるいなどは免疫低下のサインです。
免疫の低下は加齢のほかにも、ストレスによる自律神経の乱れや、栄養のかたより、運動不足、睡眠不足などによって引き起こされ、病気にかかりやすくなりますが、免疫は一度低下しても生活習慣の改善によって再び高めることができます。
●自己免疫と獲得免疫
免疫には自然免疫と獲得免疫の2種類があります。
自然免疫とは生活の中であふれている菌やウィルスが体の中に侵入しても病気にならないための力です。
例えば、皮膚や体毛、涙などがバリアーになって菌やウィルスの侵入を防いだり、発熱して熱に弱いウィルスを攻撃したりする力が自然免疫です。
もう一つの獲得免疫とは一度ウィルスや菌に感染した体験を記憶して、以前に排除した異物と同じ異物が入ってくると免疫細胞が増殖してより強力に反応する力です。一度かかった病気にかかりにくくなるのは、獲得免疫の力によるものです。
●腸と免疫のかかわり
外敵が侵入しやすい腸には全免疫細胞の６０％以上が集中しています。
中でも重要なのがNK（ナチュラルキラー）細胞で、この細胞が体内で1日5000個も発生するがん細胞を食べてくれるおかげでがんにかからないということが分かっています。
また、腸の中には約100兆個の細菌がいて、それぞれがビタミンやミネラル、たんぱく質などを利用し、消化しながら腸の活動を調整しています。乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌が2割、大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などの悪玉菌が1割、残りの7割はバクテロイデス、連鎖球菌などの日和見菌と呼ばれるものです。
日和見菌は腸の状態によって善玉、悪玉のどちらにもなりうる菌です。
普段はおとなしく、体が弱って悪玉菌が増えだすと悪さをする菌で、数が多いため、日和見菌が善玉か悪玉どちらにつくかで腸内環境がガラリと変わります。
日和見菌を味方につけるには常に腸内環境を整えておく必要があります。
悪玉菌が増えると、便秘だけでなく、頭痛、めまい、肩こり、肌荒れなど体の様々なところに支障が出ます。
腸は全身の工場のような役割を担っているのです。
食事を減らしているのに太る人は腸内環境が悪いことが考えられます。
腸がきれいな人は少々食べすぎても栄養分が細胞にきちんと届き、エネルギーとして使われるので太りにくいのです。
また、腸は第二の脳ともいわれています。幸せホルモンといわれる「セロトニン」は、実は脳よりも腸に多いので、「腸が健康になると幸せになれる」というのは決して大げさではありません。
いずれにしても免疫力を高める背景に腸内環境があることは確かなのです。
●腸内環境を整えて免疫力を高めるためには
腸内環境を整えて免疫力を高めるためには適度な運動に加えて、消化吸収を助け、病気への抵抗力を高める善玉菌を増やすことがポイントになります。
善玉菌は高齢になると次第に減少し、ビフィズス菌は腸内細菌の10~20％を占めていますが70歳を過ぎるとほとんど検出されない人もいます。
善玉菌はオリゴ糖、ビタミンC、マグネシウム、オレイン酸、カリウムなどをエサにして増えます。
食物繊維にはビフィズス菌を増やす機能があり、ヨーグルトや発酵食品には乳酸菌などが豊富に含まれているので、それらを組み合わせるのがコツです。
※免疫力を高めるおすすめ食材
●おまけ～甘くないヨーグルトの楽しみ～
日本ではヨーグルトはフルーツやはちみつをトッピングするなど、デザートのイメージが強いですが、世界では日本の感覚と違う食べ方をしていることに驚かされます。
インドではプレーンヨーグルトのかかったお米を食べました。
塩味でスパイシー、そして冷たいご飯なのです。カレーのプレートにヨーグルトが添えられていたり、ヨーグルトがサラダに使われていたりということは日本でもあります。
ヨーグルトご飯はかなりの衝撃でしたが、意外と美味しく残さずにいただきました。
また、タイやラオスで食べたヨーグルトには豆とトウモロコシが入っていて、毎日コンビニでそれを買って食べているうちに、いつしか私の大好物になり、日本ではプレーンヨーグルトにサラダ用ビーンズやアボカド、缶入りのコーンなどを入れて食べるのが私の朝食の定番になりました。
腸内環境を整えてくれるという意味では非常に理にかなっており、おかげさまで私も便秘知らず、運動もしましたが8kgのダイエットに成功しました。
是非一度試してみてはいかがでしょう。
ライター：佐藤 敬子
