病気を予防し、現状を把握するために全身を点検
最近、健康診断を受けたのはいつですか?気にはなっているけど時間がかかるし面倒だから…という人こそ受診したいのが人間ドック。「興味はあるけど、ちょっと不安」という声もあり、意外に受けたことがない人が多いようです。
人間ドックは生活習慣病に加え、がんの早期発見にもつながることから、自覚症状がなくても、自分の健康状態を把握しておくことが大切。
特に日本は婦人科検診の受診率が低いといわれています。
健康であってこその美容。病気の早期発見のために定期的な検診を受けておきたいものです。
モヤモヤとしている人間ドックの「?」
検査機器も最新鋭のものをそろえているところが多いので、検査の精度についても異なると思います。
ただし、高額な人間ドックだからといって、最新鋭の設備で優秀なスタッフがいるという保証はありません。市町村の無料検診でも、背設備が整い、優秀な医師や検査技師がいる病院もあります。
ホームページを見 たり、電話で問い合わせたり、信頼できる周囲の人々の評判なども確認してみましょう。
例えば、乳がん検診の場合、乳腺 エコー(CT検査)は7000円前後、マンモグラフィー検査は1万円前後、乳腺MRI検査は2万5000円前後と、検査によって料金が異なります。
「安いなあと思って飛びついたら、受けたい検査が含まれていなかった」ということにならないよう、値段に釣られず事前に下調べをしましょう。
病院のホームページには 機器の種類や、検査数の実績などが載っていることが多いので事前に確認をしましょう。
もし検査で異常が見つかり、再検査をする場合、自宅や職場から通いやすい場所にあるかどうかもポイントになります。最も大切なのは、検査の結果、治療が必要になったときに、自分が希望する医師や病院に紹介状を書いてくれたり、提携関係があるかどうか。
料金や施設の大小などよりも、「万が一異常が見つかり治療することになったときに、この病院で大丈夫か?」ということも想定して決めることをおすすめします。
マンモグラフィー検査は、検査機器が改良されて以前よりも痛みや不快感が少ないものが開発されています。
胃カメラについては、もし以前に痛い経験があったならば、医師に伝えてみましょう。アレルギー等がなければ、麻酔スプレーをのどに吹き付けてのどの違和感や痛みを抑えてくれるのが普通ですが、さらに痛みを感じたくない人のために、点滴で睡眠薬や麻酔薬を注射して、うとうとしている間に検査をする方法もあります。
また最近は、鼻から細い内視鏡を挿入して胃の中を見る検査を選ぶ人も多いようです。
健康診断などの一次検査はあくまでスクリーニングであるのに対し、再検査では次の段階が「治療行為」になるため一時検査はより慎重に下されます。
また、血液検査などは、検査日2~ 3日前の食生活やストレスなどで簡単に変化する項目もあります。再検査に臨むために、自分で生活習慣を見直したり、お酒の量を減らしたりして再検査ではいい結果になったのであれば、その調子で生活のペースを守り、さらに健康を維持しましょう。
・GPT(ALT)が20以上なら食生活を見直して
肝臓に多く存在し、肝臓細胞の破壊の有無を知る判断基準となるのがGPT(ALT)。
基準値は10~ 40U/lですが、20を超えると、肝機能障害や2型糖尿病、肝臓がん、脳・心筋梗塞のリスクが高まります。食べ過ぎ(特に糖質の摂り過ぎ)が要因で肝臓に余分な栄養がたまると、肝細胞に脂肪がついて負担が生じ、その結果GPTが高くなるのです。
なお、GPTが高くなると、γ- GTPも上昇。“お酒はあまり飲まないのに脂肪肝”という人のほとんどは食べ過ぎが原因。GPTが20以上の人は今すぐ食生活を見直しましょう。
・HDLコレステロールが60 以下なら運動不足のサイン
別名、善玉コレステロールとも呼ばれるHDLコレステロールは、血中の余分なコレステロールを回収し、血管コレステロールを沈着させにくくする作用を持っています。
基準値以上のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は下げる必要がありますが、HDLコレステロールは意識して高めに保つべき数値です。運動量を増やすことで、HDLコレステロールは増えるので、運動不足の人は低めになりがち。基準値は男性の場合40〜80、女性の場合は40〜90mg/dℓですが、男女とも60以上を目安にするのが理想です。
・γ-GTP=肝機能&ストレスの数値
γ-GTPは、肝臓でアミノ酸がつくられるときに欠かせない酵素。
肝細胞の障害や、胆汁の流れ具合をみることができる検査数値です。飲酒で上昇することが広く知られているため、お酒=γ-GTP上昇=肝障害と考えられがちですが、実際にはGPTのところでも触れたように、食べ過ぎ(脂肪肝)や、過剰なストレスでも上昇することがわかっています。
時には無理にお酒を控えるよりも、適度な飲酒でストレス発散するほうが、かえって肝臓のためにはよいことも…?また、喫煙も数値がアップする原因のひとつなので要注意です。