ぬるぬる成分が健康のもと「こんぶ」

ぬるぬる成分が健康のもと「こんぶ」

こんぶには海由来の栄養素が豊富に含まれています

●“だし”と“だしがら”、両方を使うのがポイント

和食の調理にはかかせない「こんぶ」。

こんぶというと、だしをとるための食材で、だしがらは捨てているという人もいるのではないでしょうか。
もちろん、だしは栄養たっぷりですが、残ったこんぶにも腸を整えるほか、体に良い栄養分が豊富に含まれています。

その代表的なものが、海藻特有のぬるぬる成分である「アルギン酸」と「フコイダン」。

これらは水溶性の食物繊維で、排便を促進してくれるだけでなく、余分な脂肪や塩分、糖分を排出させる効果があるそうです。

ある実験では、マウスに海藻フコイダンを与えた結果、与えないマウスに比べて体重や内臓脂肪が抑えられたという報告があるとのこと。
ダイエット効果も期待できそうですね。

また、こんぶには青魚に入っている「DHA」や「EPA」も含まれています。
これらは血液をサラサラにしてくれる脂質。
海の野菜であるこんぶには魚と野菜両方の栄養分が含まれているのがポイントなんです。

特に、魚や野菜不足で肉をよく食べる人にはおすすめの食材といえますね。
肉料理の前に食べるなど、上手に取り入れたいものです。

ただし、こうした昆布の効果は、硬いこんぶを食べてもあまり意味がないそう。
できれば、やわらかく煮こまれたとろとろの状態が理想だそうですが、せめてよくかんで食べるか、食事の最初に食べて消化を進めておくほうがよいでしょう。

●こんぶには脂肪や糖を排出する作用がある!

こんぶには腸内で吸収を抑え、さらには体内で分解して排出する、2段階の“おそうじ効果”があります。

第1の作用

腸内で脂肪・糖分・塩分の吸収を阻止して、体外に排出

食物繊維であるアルギン酸、フコイダンが腸内で溶け出している状態の場合は、脂肪や糖分、塩分などが吸収される前に巻き込んでからめとられ、便と一緒に体外に排出してくれます。
また、コレステロールに近い構造のフコステロールが、コレステロールの吸収を防いでくれる作用も。

第2の作用

体内で吸収された脂肪分の代謝・分解を促進

鮭などに多く含まれるアスタキサンチンによく似た、フコキサンチンという海藻特有の成分に注目。
これは、カロテノイドの一種で、活性酸素を除去する効果があります。さらに、余分な脂肪の代謝を促進するため、肥満防止に有効といえるでしょう。
また、DHA、EPAにも、中性脂肪を減らす効果があり、動脈硬化予防も期待できます。

●こんぶの選び方

こんぶの95%が北海道産。
主に真こんぶ、利尻こんぶ、羅臼こんぶ、日高こんぶなどがあります。

真こんぶと利尻はすっきりしただしがでるので、お吸物などに最適。肉質はしっかりしています。
羅臼と日高は濃いだしがでるので、濃い味の煮物にぴったり。肉質はやわらかく丸ごと食べてもおいしいです。
黒いこんぶが上質とは限らず、いいこんぶの見分け方は難しいため、用途を伝えて専門店で選んでもらうのがおすすめです。

●だしがらこんぶで海の食物繊維を補給

だしを取ったあとのだしがらこんぶは、調味料に漬けておくと、さまざまな料理に活用できます。

味噌+みりんや醤油、甘酢、塩麹などに数時間漬けて味を染み込ませると、お茶漬けやお吸い物、和え物、料理の隠し味など色々に使えます。
食物繊維たっぷりのこんぶを丸ごと食べて、豊富な栄養を取り入れましょう。

だしを取ったあとのこんぶは2〜3日しかもちませんが、調味料に漬けておくと、さらに日もちするうえ、味がしみこんで、料理に使いやすくなるのもメリットです。

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