抗酸化作用で注目を浴びる、日本が誇る栄養食品「緑茶」
■緑茶カテキンが活性酸素を除去
日本人が毎日のように飲んできた日本茶。今ではペットボトルでもたくさんの種類が売られており、急須で淹れることはなくても、お茶は身近な存在ですね。
お茶の中でも、カテキンやテアニン、ビタミンAなど、天然成分をたっぷり含んだ緑茶は、血管にもよい効果があり、血圧を下げる働きがあるとされています。
例えば、高血圧の原因のひとつである活性酸素は、体内に取り入れた酸素の一部が変化したもので、増え過ぎた場合は酸化力が強力なため、細胞まで傷つけてしまうことがあります。
この活性酸素が血管内に増えると、血管内がボロボロになり、同時に内腔が狭まって収縮し、血圧が上昇します。
特に生活習慣病や肥満の人は不摂生やストレスから活性酸素が増えやすく、高血圧になる比率が高まるといわれています。
そこで注目したいのが緑茶のチカラ。
緑茶に含まれる茶カテキン(緑茶ポリフェノールの一種)は、この活性酸素を除去する作用があり、それに加え、血管を収縮させる作用のある物質「アンジオテンシン」の発生を抑制する働きも!
そして、緑茶に含まれるテアニンというアミノ酸も血圧を下げる作用があり、ダブル効果で血圧の上昇を抑えることになります。
こういった緑茶の作用は即効性はないものの、毎日緑茶を飲む習慣をつけるだけで、健康な血圧の維持につながるというのが嬉しいですね。
Q.いつ、どれだけ、どんなふうに飲めばいいの?
お茶を飲む時間帯は特に限定はありませんが、食事の前後に飲むのがいいでしょう。
一日に500mgほどカテキンを摂取すると高血圧が改善されるといわれ
ており、100mlの煎茶に約50mgのカテキンが含まれているので、煎茶の場合なら一日に約10杯を目安に飲むのがおすすめです。
また、カテキンは高温のほうが抽出されやすいので、80℃前後のお湯で、茶葉がじっくり開くのを待って飲むのがベターです。
Q.紅茶にもカテキンは含まれるのに、なぜ緑茶がいいの?
紅茶に比べ、緑茶のほうが断然多くのカテキンを含んでいるからです。
それに加え、緑茶はテアニンというアミノ酸も含んでおり、これも血圧を下げる作用があります。
また一般的に、覆いをかぶせて育てられた茶葉(覆下園)よりも、日光をたっぷり浴びて育った露天園のほうが、そして冬よりも夏の茶葉のほうがカテキン類が多くなります。
最近は抹茶が入った煎茶もありますが、抹茶は茶葉をまるごと摂取できるので、より多くのカテキンを摂れるといえます。
Q.どれぐらいで効果があらわれますか?
基本的にお茶は薬ではないので、すぐに効果が出るものではありません。
ただし、おおよそ3カ月程度を目安に長期的に飲み続けることで、効果が出ると考えられています。
運動や食事療法と同じように、血圧を下げるためのひとつの習慣として、お茶を飲み続けていれば、いつしか血圧が下がっていたというふうに気長に考えるのがよいでしょう。
Q.ペットボトルのお茶でも効果はある?
もちろんペットボトル入りのお茶にもカテキンは含まれているので大丈夫です。
最近はカテキンの健康効果が注目されているため、ペットボトルにカテキン含有量を表示したものも増えているのでぜひご参考に。
また、近年は高濃度のカテキンを含んでいることを前面に押し出した商品も登場するなど、ペットボトルのお茶でも効率よくカテキンを摂取できるようになってきました。
Q.血圧がもともと低いのですが、緑茶を飲むとさらに低くなりませんか?
緑茶を飲んで高血圧が改善されるのは、もともと高血圧の人や肥満の人だけなので心配ありません。
しかし、緑茶は高血圧にいいだけでなく、抗酸化性のあるビタミンCやカテキン類が豊富に含まれていることから、抗酸化作用をはじめ、体脂肪の低下や糖尿病の予防や改善、ストレスの緩和など、さまざまな効果が得られます。
一杯のお茶には有効な天然成分が数多く含まれているので、毎日飲む習慣をぜひ取り入れましょう。