森の恵みを五感で楽しむ。森林浴のすすめ

●フィトンチッドやマイナスイオンで癒される

森の恩恵をシャワーのように全身で浴びる「森林浴」。森へ行き、森の香りただよう空気をゆっくり楽しむ森林浴は、自然の健康法として多くの人々に親しまれています。日本は国土の67％を森林が占める緑豊かな国。ぽかぽか陽気の日には、ぜひあなたも身近な森に出かけてみませんか。

■がん細胞をやっつけるNK細胞がパワーアップ

森の中に入ると、不思議な静けさに包まれて、ただ立っているだけでも自然と心が落ち着きます。
「森林浴」という考え方が生まれたのは約30年前ですが、近年ではその効果が科学的にも実証されてきています。

森の香りの正体は、植物が出しているフィトンチッド。

フィトンチッドの香りは主にテンペル類と呼ばれ、森の中で空気を吸い込むだけでも、副交感神経の働きを活発化させ、安らいだ気持ちや鎮静作用、アルファ波の増加などをもたらすとされています。
また、木の香り成分の中で睡眠をとると疲労回復が早く、疲労に対する自覚症状も少ないとか。

さらに、香りだけではなく、森の中に多く発生するマイナスイオンや、目や脳にやすらぎを与える緑の色彩、風の音、鳥の鳴き声、水のせせらぎ、やわらかな日の光など、さまざま森林環境から得られる健康の相乗効果について、医療分野でも研究が進められています。

最近の研究では、がん細胞を減少させる NK (ナチュラルキラー)細胞が増えるという結果やストレス解消効果も実験から実証されてきています。

都市部から近い身近なところにも森林公園などが点在しています。
仕事の合間でも、近くの緑の多い公園でホッと一息つくと、ストレスや披露の軽減に役立ちます。普段の暮らしの中に意識的に緑を取り入れてみてはいかがでしょうか。

●日帰り旅行でも森のパワーは１週間持続

森林浴の効果は男女の性別に関係なく有効で、2泊3日の旅行ではその後30日持続、日帰り旅行では7日間持続するという結果が出ているそうです。

欧米の森林率は約3割程度といわれていますが、日本はなんと約7割を占めるという森林大国です。

都市部から近い身近なところにも森林公園が点在しています。森林浴の健康効果を上げるなら滞在型の旅行がオススメですが、仕事の合間でも近くの緑の多い公園でホッと一息つくと、ストレスや疲労の軽減に役立ちます。

●五感を意識、リラックスして森のパワーを感じましょう

森林浴がハイキングやウォーキングなどと違うのは、頑張って歩いたり、あれもこれも見ようと張り切らないことです。目的はリラックスすること。

現代人は何かと効率よく動く習慣が身についていますが、植物や夜涼の名前を調べるのは別の機会にし、森林浴ではのんびりゆっくり過ごしましょう。
自然に五感が研ぎ澄まされ、森のパワーを全身で感じられるようになっていきます。

●実験により効果が検証された全国の森

森林浴の効果をきちんと実感したい人におすすめなのが、森林セラピーソサエティが認定する全国の森。

現在は全国60カ所以上の森が「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」として認定されており、生理・心理・物理実験により“癒し”効果の検証等がなされています。

認定された森には森林セラピストがいて、訪れる人々のために健康増進やリラックスを目的としたさまざまな森林セラピープログラムが用意されています。
ぜひあなたのお気に入りの森を見つけてくださいね。

北海道

東北

関東

北陸・甲信越

東海

関西

中国

四国

九州

沖縄