動脈硬化のリスクも! 酸化したコレステロールにご注意!

動脈硬化のリスクも! 酸化したコレステロールにご注意!

●「劣化コレステロール」について知っておきましょう

普段、口に入れるものに気を使っていますか?

「野菜を多め」「糖質控えめ」「無農薬にこだわる」「産地は必ず確認」など、食材や内容にはこだわっていても、保存の仕方や温め直しの方法までは気を使っていない人も多いのではないでしょうか。

実は、何度かチンして温め直したもの、もったいないからといって使いまわしている揚げ油など、普段何気なく口に入れるものの中には、健康を脅かす危険があるものもあります。

中でも注意したいのが、酸化してしまったコレステロール。最近では「劣化コレステロール」とも呼ばれています。

●そもそもコレステロール自体が悪者?

脂質の一種であるコレステロールには、いいイメージよりも、悪いイメージがありますよね。
肥満の原因になったり、血液をドロドロに汚したり、動脈硬化を引き起こしたり…。

身体の中で過剰に増えたコレステロールが、体にさまざまな悪さをしでかすのは事実です。

でも、コレステロールは胆汁酸(肝臓で作られ、小腸で脂肪の消化吸収を助ける働きをする)や細胞膜を作る、各種ホルモンの原料になるなどの役割を担っています。
もし不足すれば、これらの役割が十分に果たせず、体に不調が起こりやすくなってしまうのです。つまり、コレステロールは体を健やかに保つために不可欠なもののひとつ。一言で悪者とはいえない存在なのです。

また、コレステロールは体内でも作られますが、それだけでは不足することもあるので、毎日の食事から摂取する必要があります。
目安となるのは1日に500〜600 mgぐらい。
卵1個には約250~300mgのコレステロールが含まれていますから、卵だけでいえば2個で1日分が摂取できることになります。くれぐれも摂り過ぎには注意を!

●悪玉コレステロールに気をつけて!

摂り過ぎたり、極端に不足したりしなければ、体に害を与えることはほぼないコレステロールですが、中には本当に体によくないものもあります。

それが「劣化コレステロール」。

劣化コレステロールは、その名のとおり、「劣化」した、質の悪い「超悪玉」のコレステロールのことです。
通常のコレステロールでさえも、摂り過ぎは要注意ですが、超悪玉である劣化コレステロールは、少量でも体に悪影響を及ぼします。

やっかいなのは、劣化コレステロールが私たちの案外身近に存在していること。
できるだけ、劣化コレステロールを含む危険のある食べ物は口にしないのが得策です。

そのためにも、コレステロールを劣化させるような保存法や調理法はなるべく避けるようにしましょう。また、できるだけ劣化コレステロールの悪影響を軽くするための工夫をこらすことも大切です。

●劣化コレステロールを含む危険のある食べ物

・電子レンジで何度か温め直したコンビニ弁当

・2度揚げ、3度揚げをしたフライや天ぷら

・空気に長時間さらされたスルメやビーフジャーキー

・レトルト加工して長期保存されたハンバーグなどの肉類

・焼き魚や焼き鳥などの焦げて黒くなった部分

・マヨネーズやバターなど、黄色みが増して透明に変色した部分

・すじこやいくらなど、しょうゆ漬けなどにして長期保存したもの

●電子レンジはコレステロールには大敵

電子レンジは高温で加熱するため、食品中のコレステロールが酸化し、劣化コレステロールに変わりやすいとされています。
料理を保存する際には小分けし、何度もチンせずすむようにしましょう。

また、酸化した脂質はなるべく摂らないことも大切です。
ひものは、天日に干す過程で酸化が進行します。長時間干したものはできるだけ避け、一夜干しを選ぶほうが安心と思われます。

スーパーの揚げ物などのお惣菜やファーストフード、インスタントラーメンなども酸化レベルが高いとされています。

でも、普段の生活の中では、劣化コレステロールを完全にシャットアウトすることはできませんよね。

そこで、活用したいのが、イソフラボンを含む豆腐や納豆などの大豆食品、セサミンを含むゴマ、緑黄色野菜に多いビタミンCやβカロテン、トマトなどに含まれるリコピン、ぶどうなどに含まれるポリフェノールなどの抗酸化成分です。

古くからおなじみのメニューや食べ合わせには、劣化コレステロールの害を防ぐ知恵が詰まっています。

例えば、カレーには、抗酸化力の高いクミンという、うこんに多く含まれる抗酸化物質が使われていますし、動物性のコレステロールがたっぷりな肉類には、ポリフェノールの宝庫である赤ワインがつきものです。
また、肉じゃがにはリコピンなどのカロテノイドを多く含むにんじん、フライにはビタミンC豊富なレモンなど。

何気ない組み合わせですが、抗酸化成分を含む食品が上手に取り入れられています。
日々の食事を作ったり選ぶときに、少し意識するだけで変わりそうですね。

●劣化コレステロールから体を守るには

1.抗酸化成分を積極的に摂る

外食やインスタント食品ばかりの食生活では野菜不足に陥りやすく、劣化コレステロールの危険性もアップしがち。抗酸化成分は、野菜や果物などに多く含まれています。意識して野菜類を摂るようにしましょう。

2.有酸素運動を習慣的に行う

日ごろから適度な運動を習慣にしましょう。劣化コレステロールから体を守るには、酸化ストレスに負けない体づくりも大切です。有酸素運動のウォーキングや水泳、サイクリングなどがおすすめです。

3.電子レンジを使いすぎない

動物性コレステロールを電子レンジで10 分以上加熱すると、酸化して劣化コレステロールに変性しやすくなるそう。加熱時間は控えめに。また、同じ食品を何度も“チン”するのはできるだけ避けましょう。

4.作りたてのものを食べる

加工や保存を繰り返したり、作ってからの時間が長引くほど、酸化しやすくなります。加工食品よりも手作りの食品を、作ってすぐに食べるようにしたいものですね。

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