ヨガって身体にいいとはわかるけれど、スポーツクラブやホットヨガ、色々種類があったり、スピリチュアルっぽかったり。ヨガってそもそも何なのでしょう?
●ヨガは生きる知恵
インドで誕生し、5000年の歴史のあるヨガは、語源はサンスクリット語のYuj(軛:くびき)から派生し、「統合」、「結合」を意味します。
ヨガと言えばポーズ、エクササイズの面が強調されがちですが、それはアーサナと呼ばれるヨガの一部で、ピラティスやストレッチと一番大きく異なるのは呼吸、そして身体への意識の向け方です。
ヨガの中心柱となっているのは「八支則」という考え方を基本とした生き方、考え方そのものをヨガと言います。
ヨガの八支則
ニヤーマ(勧戒)自分に対して守るべき行動
アーサナ(坐法)ポーズの練習。意識を体の内側に向けて瞑想への準備
プラーナヤーマ(調気法)呼吸のコントロール
プラティヤハーラ(制感)感覚のコントロール
ダラーナ(集中・始まり)集中、感覚を閉じ込めて周りの物を気にしない
ディヤーナ(静感・深まり)瞑想、落ち着いた静かな精神状態
サマーディ(三昧・至る)悟り、心の平静を保つ精神的喜び
●どんなヨガを選んだらいいの?
ヨガには運動性の高いもの、精神性の高いもの、それぞれ特徴があります。
精神性の高いヨガではポーズはほとんど取らず、瞑想や呼吸法が中心というものもあります。
最初から運動性の高いヨガをチョイスすると初心者の方はついていけないことがあるかもしれません。
ヨガを運動としてやるのであれば、スポーツクラブ、生活の一部、生き方として学ぶのであればヨガ専門スタジオに行くのが良いでしょう。
体験レッスンを上手に活用してみましょう。
体験レッスンでチェックするポイント
・インストラクターの印象
・コース設定
・交通の利便性
・リラックスできるか
・呼吸を沢山するので、風通しが良いか
ヨガは無理をすると関節や腰などを傷める可能性もあります。
クラスやインストラクター選びは慎重に行ってください。
●身体が硬いとヨガには向いてない?
身体の硬い方は一か月くらい続けると、身体が「あれ?少し変わってきた?」と感じられます。
更に3か月くらい続けると、可動域が広がってくることを体感でき、自分の身体の弱いところを把握したうえで、身体の使い方が分かるようになります。
身体が変ると、日々の生活でケガをしにくくなるなど、日常の動作に良い変化が出ます。
ヨガは体を柔軟にすることが目的ではありません。
人と比較するものでもありません。
●ヨガの精神世界っぽいところが苦手
確かにヨガは精神性や瞑想なども重視する傾向がありますが、一般的な60分~90分のレッスンで精神性について語られることは少なく、瞑想等はワークショップやイベントで特別に企画されることが多いです。
自分の内面を見つめると暗くなるという考え方もありますが、自分の考え、したいことなど、頭の中を整理することが内面を見つめる入口です。
整理することによって、新たな気づきが生まれるということです。
●ヨガは心の疲れに効く?
心と身体はつながっているというのは東洋思想の伝統的考え方です。
「肩の荷が下りる」、「二の足を踏む」など、心と身体を一つに考えた慣用句が多いことからもそれが分かります。
ストレスは心の問題だと思っている人は多いですが、ストレス解消の鍵を握っているのは身体です。
心は熱しやすく冷めやすい、身体は熱しにくく冷めにくいものです。
恋愛で悩んでいても、その好きな人から連絡がくると、いっぺんで気分が晴れたりするように、心は移ろいやすく変化しやすいのですが、身体は違います。
ヨガクラスで60分練習してもすぐに180度開脚ができるようにはなりませんが、習得したことはずっと覚えているのが身体です。
身体はストレスを蓄積しやすいので、蓄積した身体のストレスを解消することが、心のストレス解消にもつながります。
心が疲れたと感じたら、身体をほぐし、呼吸を整えてみる。
身体と呼吸を整えるだけでも、驚くほど心は変わります。
ヨガは体が硬いとだめ、瞑想しないとだめ、ストイックじゃないと…という思い込みやイメージは捨てて、気楽に始めてみてはいかがでしょうか。
ライター:佐藤 敬子