〝ベースサプリメント〟 「ビタミン」と「ミネラル」

〝ベースサプリメント〟 「ビタミン」と「ミネラル」

●摂取するなら「マルチ(複合)ビタミン」

「ビタミン」「ミネラル」は、ともに五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)のひとつであり、代謝を支える重要な役割を担っています。

「ビタミン」とは、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素が、体内でスムーズに働くために使われる栄養素のこと。人間の場合、体内で必要量を合成できないため、食事やサプリメントなどから摂取する必要があります。

ビタミンが不足している状態を「ビタミン欠乏症」といい、倦怠感や疲労感、免疫機能の低下、動脈硬化、糖尿病、がんなどの発生にも関係しているといわれています。
ビタミンには何種類もありますが、代表的なものは、ビタミンA、ビタミンB群(B₁、B₂、ナイアシン、B₆、B₁₂、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKの13種類。

いくつかの働きを見てみましょう。

●ビタミンA(β −カロテン)…皮膚や粘膜、視覚機能の健康を保つ。抗酸化作用があり、細胞を活性酸素から守る。
●ビタミンB₁…糖質をエネルギーに変える。神経伝達物質アセチルコリンの働きを高める。
●ビタミンB₂…過酸化脂質の分解を促す。動脈硬化、脂肪肝などを予防。皮膚や粘膜の健康を保つ。
●ナイアシン…ニコチン酸とニコチンアミドの総称。糖質、脂質の代謝にかかわる。アルコールを分解する。
●ビタミンB₆…ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の生成にかかわる。
●ビタミンB₁₂…赤血球の形成を助け、造血に重要な働きがある。
●パントテン酸…補酵素(コエンザイムA)の構成成分。糖質、脂質を代謝する。
●葉酸…赤血球の形成を助ける。細胞分裂に関与する補酵素で、乳幼児や胎児の成長に不可欠。
●ビタミンC…代表的な抗酸化ビタミンで活性酸素から細胞を守る。免疫作用を高める。コラーゲンの生成にかかわり美肌効果がある。腸からの鉄の吸収を促し、貧血予防効果も。
●ビタミンE…ビタミンCと並んで代表的な抗酸化ビタミン。体内の細胞膜や脂質に存在し、脂肪酸が過酸化脂質に変わるのを防ぐ。動脈硬化、脂質異常症、糖尿病などの予防効果がある。皮膚の保護作用も。

ビタミンは水溶性(B群とC)と脂溶性に分かれます。脂溶性ビタミンは肝臓などに長く蓄積されるため、過剰摂取すると頭痛や吐き気などの「ビタミン過剰症」という副作用が現れることも。
ただビタミンAの場合、β −カロテンの形で摂れば過剰症は起こらないともいわれています。

一方、水溶性ビタミンは過剰摂取したとしても尿として体外に排出され基本的に問題はないのですが、ビタミンB₆の場合はむくみが起こることもあります。
さまざまな代謝活動は、すべてのビタミンがそろったレベルで行われるため、「マルチ(複合)ビタミン」での摂取がおすすめ。
13種類のビタミンがそろっているものがベストですが、少なくともビオチンとビタミンKを除く11種類が入っているものを選びましょう。

また、摂取時間は一日の活動が始まる朝に摂るのが基本。
仕事の時間が不規則な人は仕事の前の食事の時になど、生活のリズムに合わせて摂りましょう。

●過剰摂取を防ぐためにも「マルチミネラル」がおすすめ

「ミネラル」は、骨や歯などを構成したり、たんぱく質や脂質の成分となるなど、体を構成する重要な栄養素です。
ビタミンと共同で働き、体の機能を正常に保っています。
ミネラルもビタミンと同様に自分の体で産生できず、食事やサプリメントなどからの摂取が必要です。

ミネラルは約100種類ありますが、特に重要なものが「必須ミネラル」で、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、クロム、コバルト、セレン、鉄、銅、マンガン、モリブデン、ヨウ素の16種類です。

いくつかの働きを見てみましょう。

●カルシウム…骨や歯の主成分。血液、筋肉、神経にも存在し、ホルモンの分泌や働き調整、筋肉の動き、心臓や神経の機能にも深くかかわる。
●マグネシウム…骨や歯の形成に必要。カルシウムと共同したり拮抗したりしながら働く。
●亜鉛…新陳代謝や遺伝子のコピーに不可欠。不足すると脱毛や味覚障害が起こることも。男性の前立腺では性ホルモンとして働く。
●クロム…糖や脂質の代謝に関与。インスリンの働きを高める作用も。
●セレン…抗酸化酵素の主成分。体内の抗酸化システムに不可欠。がん、老化、生活習慣病の予防に。
●鉄…赤血球ヘモグロビンの構成成分で、酸素の運搬にかかわる。特に女性は月経、妊娠、出産などによって欠乏しやすい。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まる。

サプリメントで特定のミネラルを摂取すると過剰症になりやすいといわれています。
症状としては、貧血、発熱、腎臓機能障害、脱毛などさまざまあり、特定のミネラルを長期間摂取しないようにしてください。
まずは複数のミネラルを一度に摂れる「マルチミネラル」を。
必須ミネラル16種類のうち、少なくともカルシウム、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、鉄、銅、ヨウ素の8種類をカバーしているものを選びましょう。

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