肩こりは首を支える “頸椎のゆがみ”が原因

肩こりは首を支える  “頸椎のゆがみ”が原因

●首のケアで肩こり、 五十肩も治せる

腰やひざなどの痛みと比べ、軽視しがちな「首痛&肩こり」。
がまんしてやり過ごすと、頭痛や目の奥の痛みなどのつらい症状が出ることも。
慢性化させないため、早めの対処を!

■首(頸椎)は、背骨(脊椎)の一部

「肩をもんでください」というと、耳の下あたりを押さえる方が多いのですが、実は、その部分は〝首〟です。
肩と呼べるのは、腕のつけ根である肩関節のみです。
ですから、いわゆる「肩こり」 は、「首こり」というのが正解。

つまり、頭を支える要の首を守ろうと、周囲の筋肉が緊張することで、首のつけ根から肩関節にかけての広範囲にこりや痛みが出ていると考えられています。

肩こりのメカニズムは腰痛と同様で、椎間板や関節のズレ、筋肉の緊張による小さな断裂などが影響しています。
筋肉に原因があると誤解されがちですが、肩こりを治したいならば、首から背骨をトータルで考える必要があるのです。

加えて、頸椎も腰椎のように、ゆるやかなカーブを保っていることから、やはり姿勢が一番の問題となります。
例えば、本を読んだり、パソコン画面を見るときなど、気がつかないうちに首が前に出る悪い姿勢になっていませんか。

これが長時間続くと、首の湾曲がなくなる〝ストレートネック〟になる心配もあります。すると、首への負担が増大し、こりや痛みが起こりやすくなるのです。

肩を回したり、マッサージで筋肉をゆるめるだけでは、一時的な効果しかありません。
根本的に解決するには、首を含む背骨全体のゆがみをとり、よい状態に整えることが必要です。

●ストレートネックって何?

ストレートネックとは頚椎が正常な湾曲に保たれず、さらに7個ある頚椎の配列がまっすぐになっていない状態のことをいいます。
この状態では頭の加重が分散されることなく、直接頚椎にかかってくることになります。

その結果、椎間板の損傷、神経の圧迫、首こり、肩こり、頚椎のさらなるゆがみなどの症状が起き、日常生活に影響が出てくるのです。

ストレートネックは筋力が衰えてくる壮年以降の発症が多いとされてきましたが、近年若い世代にも多く見られるようになってきました。

ストレートネック簡単セルフチェック

整形外科で調べてもらうのもいいのですが、順番待ちや検査待ちで結構時間がかかります。そこで自分で簡単にチェックできる方法をご紹介します。

1.まず、壁に背中をくっつけて、あごを引いて自然な状態で立ってみてください。

2.後頭部と肩甲骨とお尻の3ヶ所が壁に付いてますか?

3.無理に力を入れなくても自然と3点がくっつくようなら正常です。

●なぜストレートネックになってしまうの?

若い世代にストレートネックが発症する最大の原因は姿勢。
パソコンを操作するときに、前かがみに画面を覗いている人も多いのではないでしょうか。

その姿勢は前にも書いたとおり、頚椎をストレートにする姿勢なのです。
さらに携帯やスマートフォンを覗き込む姿勢もストレートネックの原因になります。

●ストレートネックにならないために気をつけること

ストレートネックにならないためには、まず生活レベルにおける姿勢を良くすることが必要です。
歩く時は下を向かないでまっすぐ顔を立てて歩くだけでも効果があります。さらに椅子に座る場合においても、椅子に浅く座り猫背にならない様に注意します。

猫背はストレートネックを発症させる原因の一つであり、胸椎(きょうつい)のゆがみが頚椎に影響してきます。猫背の人は胸椎の矯正を行うことで、自然にストレートネックが改善する場合があります。

パソコンを使用する場合も、モニターと顔の位置を極端に上下させないで、顔が下を向いたり上を向いたりしないように心がけてください。
このような少しの配慮を行うことで、ストレートネックの危険性が減少します。

●ストレッチによるストレートネックの改善法

バスタオルを1枚用意して下さい。その1枚のタオルを四つ折にしてグルグル巻にして両端を輪ゴムで止めます。これで直径約13cmの棒状になったタオルが完成します。

床に仰向けに寝て、この棒状のタオルを首の下に入れて10分から20分程度そのままの姿勢でいます。やりすぎると首の痺れなどの原因にもなりますので、20分程度を目安にして行ってください。

これだけで首の筋肉の緊張が緩和されてストレートネックの解消へつながります。ストレートネックを改善することにより、肩こりや頭痛も解消されるケースが多く簡単な方法で実践できます。ぜひ試してみてくださいね。

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