要注意!「歯周病」は女性がなりやすい病気です

要注意!「歯周病」は女性がなりやすい病気です

●40代半ばから急激に増える歯周病

どんなに歯が丈夫でも、静かに進行して、やがては歯が抜け落ちてしまうこともある歯ぐきの病気「歯周病」。

いくらお肌の手入れをしても、エイジングケアをしていても歯ぐきが腫れていたり、歯がグラグラではどうしようもないですよね。見た目ではわからなくても、口臭も心配です。

ましてや抜け落ちるほど歯周病が悪化したら最悪…。

歯周病は「サイレント・ディズィーズ(沈黙の病気)」といわれるように20代、30代に発症していても最初は自覚症状がなく、何十年も時間をかけてゆっくりと進行していく厄介な病気です。

歯が丈夫だから、と過信していると、突然、歯がぐらついて抜け落ちてしまうということも。
しかも、なんと成人の8割が軽い症状を含めた歯周病の症状があるといいます。40代半ば以降、年齢とともに歯肉が弱くなることで、さらに歯周病にかかりやすくなります。

最近は、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞など、全身の病気にも関連していることがわかってきた歯周病。
特に女性はホルモンのバランスや体調の変化で歯周病になりやすく、妊娠時には早産の危険性を高めることがわかっているので、常日頃から歯のトラブルを解決しておくことが大切です。

●歯垢の細菌が骨を溶かす!

歯周病の直接の原因は歯垢(=プラーク)に含まれる細菌。
歯の表面に強固にこびりつき、歯を溶かして虫歯を作るだけでなく、歯周病を引き起こします。

自覚症状の初めは、歯肉に炎症が起こって、腫れや出血が見られます。これを放っておくと歯肉が歯からはがれて歯周ポケット(歯と歯肉のすき間)が広がってしまいます。

歯垢が蓄積すると、石灰化して歯石になります。
歯垢がたまりやすくなるばかりか、細菌がこの歯石を足がかりに歯周ポケットの奥深くへと繁殖し、歯を支えているあごの骨を溶かします。

まるで“棒倒し”。

砂がどんどん減ってやがて棒が倒れるように、骨が溶けてもろくなり、歯が抜け落ちてしまうのです。

●女性の方が歯周病になりやすい!?

女性は唾液が少ない人が多く、口の中が酸性に傾くのを防ぐ働きが男性よりも弱いため、口の中の環境が悪化しやすいと言われています。

また、歯周病の原因菌のなかには、女性ホルモンを特に好んで繁殖する種類があります。
月経の前がいちばんホルモンの変動を受けやすく、歯肉がむずむずしたり、腫れたりとの経験を持つ人も多いのでは。
これは、女性ホルモンが大好きな歯周病菌の一種が増殖し、毛細血管が影響されるなどして、歯ぐきから出血しやすくなったり、歯ぐきの状態が悪くなるためです。

一方、更年期には、女性ホルモンの分泌量の低下が起こることにより、体調の悪化、身体の抵抗力の低下が起こります。このため、通常悪さをしない歯周病菌の量でも、歯ぐきの抵抗力が低下しているので、歯周病の悪化を引き起こしてしまいます。

若さの秘訣は口元も大いに関係してきます。大事に至らないうちに歯の健康を見直してみましょう。

<歯とお口のチェックポイント>

□朝起きたときに、口の中がネバネバする。
□歯をみがくときに出血する。
□硬いものがかみにくい。
□口臭が気になる。
□歯肉がときどき腫れる。
□歯肉が下がって、
□歯と歯の間にすき間ができた。
□歯がグラグラする。

歯周病は、初期段階では自覚症状がないのが特徴です。
上の項目の中で気になる症状があったら、歯周病の可能性があります。
一度、歯科で検査を受けてみましょう。

●歯周病を防ぐ正しい歯のみがき方

1.まずは歯間ブラシ
“食べ物がつまりやすくなった”という人は、歯ブラシの前に歯間ブラシを使う習慣をつけましょう。

年齢を重ねるごとに、歯周病や歯の老化によって歯槽骨が溶けて歯肉が下がる、歯と歯のすき間が広くなるなど、口の中は微妙に変化していきます。
歯と歯の間に歯垢をためたままにしておくと、歯周病を進行させてしまいます。

歯間ブラシを使うと、すき間が余計広がってしまうという人もいますが、すき間より大きい歯間ブラシを無理やり挿入したり、力強くゴシゴシと歯や歯肉をこすり過ぎると、歯が削れたり歯肉が下がってしまうことで、すき間が広がってしまうこともあります。
力を入れなくても入る自分に適したサイズを選び、必要以上にこすらなければ、すき間が広がることはありません。

2.さらにデンタルフロス・糸式ようじ
すき間の小さい歯間部の清掃には、デンタルフロスや糸式ようじが有効。

歯と歯の間に入れて、繊維の束でプラークを巻き取るように取り除く道具です。
勢いよく挿入すると歯肉を傷つけてしまうので、ゆっくり前後に動かしながら挿入しましょう。

糸だけの「デンタルフロス」と、持ち手に糸がついている「糸式ようじ」と呼ばれているものがあります。
どちらも、歯と歯の接触している部分の清掃に適している補助器具です。糸を指に巻いて使うのが苦手という人には糸式ようじをおすすめします。初心者には柄のついた糸式ようじのほうが使いやすいでしょう。

3.いよいよ歯ブラシ
歯ブラシは歯の表面やかみ合わせの清掃には有効ですが、歯と歯肉の境目にみがき残ししやすくなるので注意。磨くときは力を入れ過ぎると歯肉が下がったり歯が削れてしまい、冷たいものがしみる知覚過敏になりやすくなります。毛先が広がらないくらいの力加減で。

また、歯ブラシは使っているうちに毛のコシがなくなり、歯垢の除去率が低下します。
ブラシ部分を後ろから見て、毛が見えたら歯ブラシの換え時。1カ月に1回は交換しましょう。

電動歯ブラシは、振動または回転によって歯面に付着した歯垢や着色を取り除くものです。歯ブラシに比べて歯面の研磨効果が優れていますが、歯みがき時間を短縮できるわけではありません。また歯間部の清掃効果は低いので、歯間ブラシやデンタルフロスなど補助器具を使うことをおすすめします。

●歯科治療にもプラセンタ?

現代では、ストレスによる自律神経の乱れ、それに伴う免疫力低下が原因と思われるさまざまな症状に悩まされる人が増えています。

歯科医療の分野でも、歯周病をはじめ、口腔乾燥症や舌痛症、味覚障害など原因を特定することが困難な症状、 いわゆる「口腔不定愁訴」で悩まれている人が増えてきているそう。

こういった口の中のトラブルの緩和にプラセンタを使用する動きが、歯科治療の中でも広まりつつあります。
まだ一部の歯科医院でしか取り扱っていませんが、歯周病や歯槽膿漏、抜歯後の治癒促進、口内炎などへ応用されています。

健康カテゴリの最新記事