免疫力を下げない薬との付き合い方

免疫力を下げない薬との付き合い方

免疫力を下げない薬との付き合い方

「薬を飲むと免疫力が下がる」という話を耳にしたことがありますか?
ときどき〝断固として西洋薬は飲まない〟というような人もいますが、実際のところはどうなのでしょうか。

持病があるなどで毎日薬を飲んでいる人は不安に感じるかもしれませんが、結果としては、実は薬と免疫力の関係を説明するのは、医師であっても簡単ではないといわれます。

身近なところで言えば、風邪の場合、免疫力が下がったから風邪をひいているので、風邪薬の影響を見極めるのは難しいですし、免疫の過剰反応で起こる花粉症は、抗アレルギー薬である免疫抑制剤を用いて、免疫の働きを抑える(下げる)ことで症状を緩和します。
ひと口に薬といってもその種類はさまざまで、それぞれに主作用(効き目)と副作用があるわけです。

また、日本の“頭痛人口”は、約3,000万人もいるといわれています。自宅やオフィスの引き出しに頭痛薬を常備している人も多いのではないでしょうか。
頻繁に頭痛薬を飲んでいると、免疫の低下をはじめ、体への影響が気になるのも当然ですよね。
もちろん、飲み過ぎはよくありません。ですが、免疫力を下げる大きな原因の一つは「ストレス」。痛い痛いと頭痛を我慢するのはかなりのストレスになります。頭痛のストレスを取り除くという意味では、市販の薬を上手に利用するのは悪いことではありません。

抗生剤を飲むときに気をつけること

病院に行くと割とよく処方される薬の一つに抗生剤があります。
女性に多いぼうこう炎を例に挙げると、ぼうこう炎では抗生物質を10日間ほど服用する必要があります。ところが、「翌日には症状が治まった」などの理由で勝手に薬をやめてしまうケースが多くみられるそうです。
確かにぼうこう炎の症状は2、3日でおさまりますが、そこで止めてしまうと生き残った菌が増殖し、再びぼうこう炎を招くこともあります。
抗生物質は処方された分をきちんと飲みきることが大切です。

また、抗生物質は有害な菌だけでなく、善玉菌も殺してしまうので腸内環境が一変します。一時的に下痢や便秘になることもありますし、免疫力が下がってしまうことも。
そのため、抗生物質を処方するときは一緒に整腸剤も出るのが一般的です。ぼうこう炎やのどの痛みで来院して“どうして腸の薬なの”と不思議に思ったことがある人も多いと思いますが、薬のせいで他に不具合がでないよう、きちんと調整して処方されているのです。

<意外と知らない!>
抗生剤と抗ウイルス剤の違い

いずれも抗生物質ですが、「抗生剤」は大腸菌やマイコプラズマなどの細菌を死滅させ、増殖を止める薬。腸内細菌にも影響するため、腸内環境は変わってしまいますが、ダイレクトに症状を緩和させてくれます。
一方「抗ウイルス剤」は、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、帯状疱疹など、ウイルスに対する薬。体内のウイルス合成を阻害したり、免疫を高める作用で治療を促す薬もあります。

免疫力を下げない薬とのつき合い方

・自己判断で服用をやめない
「副作用が心配だから」と薬を途中で飲まずにいると、もっと深刻な病気を引き起こすことも。医師の指示は守りましょう。

・抗生剤はきっちり飲みきる
「症状が治まった」と服用を中止するケースが多く見られるようです。菌が生き残っていると再発の可能性が高いため、薬は飲み切りましょう。

・市販薬はかしこく使う
痛みや不調を我慢→ストレス→免疫力の低下につながります。頭痛や便秘などの我慢はほどほどに。

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